昨々品々

サクッと読めます

2023-08-21

何が嫌だったのか、考えている。
どこが好きなのか、と同じくらい考えている。

すごく嫌だったんだよな。彼もうーんといった表情で、部屋を出たり入ったりしてとにかく落ち着きがなくて、早くここから立ち去りたいんだろうなと思った。2人で合流してお酒を飲んで、から揚げを食べた。なにが嫌だったのか考えた。もっとできたなあ、でもこれからだよな と言い合った。この人に出会えてよかったなあと思った。セブンに寄ってショコラエクレアを食べた。一口あげる、一口がちょうどいいでしょう とエクレアを渡した。ちょっとだけ齧って、「一口がちょうどいい」と言った。どこが好きなのか考える時間があった。怖いと思ったことがないのは大きいし、一緒にいると楽しいし、好きなところはたくさんあるけど言葉にするのはめちゃくちゃ難しい。嫌な場所がない、今のところ。こんなに違うのに、やらかすミスが似ている。違う劇場に行く、財布を忘れる、ご機嫌な朝ほど財布を忘れてダッシュしなきゃいけない、とか。どこが嫌だったのかって、都合よく使われたからだよな。分かってるんだよな。分かった上で分からないふりをしている。悲しすぎるから。ベッドの上でテレビを見る。数独を続ける。