昨々品々

サクッと読めます

2024-04-06

人と暮らし始めて1ヶ月経った。

同居人は毎晩クタクタになって帰ってきて、朝早く出かけていく。以前の方が会えていた気がする。そんなわけないのに。
会えないから駅まで送る。送りながら話す。彼はいろんな人と会ってて、いろんな出来事が起こってて、私に話したいことがたくさんあるみたいだった。私に? そうなんだ と相槌を打つ。頑張ってねと言いそうになって、頑張ってるね に踏みとどまる。まれた。分かれてからスーパーに寄るとお寿司が美味しそうだった。ぴかぴかに輝いていた。同居人はお寿司がこの世でいちばんすきなんだ。2人で来た時に買いたいな。全然会えない。前は会える時間をもっと大事にしてた気がする。彼は家に帰れば私がいるのが一番の安心らしい。そうなんだ、おやすみ。腹を一発叩いて部屋を出る。引き戸の音もするのに。そうかそうか、おれは一人でも全然平気です。帰ったらデートの予定立てようねって言ってたけど、お米は炊いてくれたよ、私が作ったご飯も食べてくれて、洗い物もしてくれて、いいにおいがして、おれは何が不満なんだよ。帰ったらゆっくりしようって言ってたけど。ちょっと泣いてから風呂に入った。ステッカー剥がして新しいの貼った。全然似合ってない爪の色は明日落とす。もう知らないからね。

ひとりで行くバーミヤンは清らかで物静か
わたくしは ここで